10月19日午前十時、JR北鎌倉駅から徒歩一分、集合場所である円覚寺山門前に到着しました。
スタッフの方から本日巡るお寺の歴史や、見所の書かれたパンフレットをいただき、早速お散歩が始まります。
歩き始めて直ぐに気付くのは、雲一つ無い青空と、涼やかな秋風。
最高の天気に恵まれ、40人以上はいましたでしょうか、沢山の参加者の方々も皆、気持ち良さそうに歩いていらっしゃいました。
最初に辿り着いたのは東慶寺。
かつては「駆け込み寺」、「縁切り寺」と言われていた、女性を救済してきたお寺です。ネットで検索したところ、現在では「古い縁や過去の想いを断ち切ることで良縁を結ぶことができるという、パワースポットとして有名」だとか。宝蔵に安置されている観音様に手を合わせ、良き縁に恵まれますよう、静かな気持ちでお参りさせていただきました。
続いて向かうは浄智寺。
曇華殿(どんげでん)に安置されている三世仏坐像を参拝した後、その直ぐ裏手に安置されていらっしゃる観音様に手を合わせます。
こちらの観音様は注意深く歩かないと見落としてしまうような、狭く、小さなスペースにいらっしゃって、驚きました。
浄智寺を出て十分程、鎌倉五山第一位の大きなお寺、建長寺へ。総門を入り、まずは右手、妙高院へと向かいます。こちらは立ち入り禁止のため、中にいらっしゃる観音様は拝めず、門の前でのお参りとなりました。
次に向かった先は建長寺の法堂。千手観音様のみならず、釈迦苦行像、雲龍図など、見所たっぷりの荘厳なお堂でした。
その足で龍峰院を参拝します。こちらも立ち入り禁止ということで、門の前まで。
ここでお昼休憩の時間となりました。
たくさんある建長寺のお寺のベンチでお弁当箱を広げ、思い思いの場所で昼食をとりました。
心地良い疲れを感じながら、屋外で食べるお弁当の美味しいことと言ったらありませんでした。
周囲を見回すと、外国人観光客の方々から一緒に写真を撮ってほしいとせがまれ、それに応じられている先生のお姿が!
僧衣が珍しいからでしょうか。「外国人に囲まれる先生」という絵の面白さやその優しさに、遠巻きに見ていた参加者の方々からも笑い声が溢れ、和やかな時間が流れていました。
休憩を終え、ここから向かうは建長寺裏山にある半僧房。
――これがお散歩? と疑問を感じるほどに、結構な傾斜の山道。これまでのゆったりとした和やかなムードは立ち消え、ところどころで悲鳴があがりました。
終わった今では、これがあったからこそ最後になって劇的な達成感を感じられたのだと、先生やスタッフの方々の配慮にありがたい気持ちでいっぱいですが、登っている間は実に険しく、厳しい道のりに感じました。
山を降り、向かった先は明月院。
こちらは素晴らしい景観のお寺で、悟りの窓と呼ばれる本堂の丸窓や、庭園の枯山水などが美しく、山道で疲れた身体に染みいるようでした。
そして今朝の集合場所、円覚寺に戻り、佛日庵へ。こちらはいろいろなイベントも開かれているらしく、假屋崎省吾さんのお花の会や、落語会、ダンス会なども開かれているらしく、賑やかなお寺でした。
十一面観音様にお参りし、これにて旅も終了とホッと一息ついたところで、最後にサプライズが!
「第24回 サンポの散歩」より、これまで四回に渡り行われてきた鎌倉三十三観音巡礼が今日で巡礼完了(結願)したということで、先生から参加者の方々全員に、カターの授与がありました。
カターとは、チベット文化圏で使用される白いスカーフのことです。安倍総理もダライラマ法王からいただいていたように、渡す相手に心からの敬意を表明したり、祝福があるようにと贈られるものです。
新井サンポ先生から直々に、これは素晴らしいものをいただいたなと、凄く嬉しかったです。
全工程が終了し、解散したのは当初の予定よりも一時間ほど早い十五時。集合時間から考えれば、休憩時間を挟んで僅か四時間ほどの道のりでしたが、充実した時間を過ごさせていただきました。
今回も道中、参加者が車に轢かれないように、はぐれないようにと声を張り上げ、導いてくださっていたスタッフの方々、僧衣を着ての山道でも周囲を気遣い、笑顔を絶やさなかった先生、優しく声を掛けてくださった参加者の方々、皆様本当に、素敵な時間をありがとうございました。(おわり)